研究課題
電磁プラズマ加速(Magneto-Plasma-Dynamic:MPD)アークジェット推進機は、通常の熱プラズマジェット装置と同様の同軸電極構造をもち、将来の宇宙用高推力推進機として有望視されている。MPDアークジェット推進機ではキロアンペアオーダの放電電流とそれに伴う自己誘起磁場の相互作用によって推進剤プラズマが電磁気的に加速されるので、他のプラズマ熱源に比べて高速で高温・高密度の大面積プラズマを生成することができる。そのため、地上応用として、各種のプラズマ材料加工への利用が大いに期待される。本研究の目的は、MPDアークジェット推進機の材料加工への有効性を明らかにすることである。材料加工法の1つである溶射法にMPDアークジェット推進機を利用する。まず、宇宙用MPDアークジェット推進機を改良し、珪素系材料溶射用のMPDアークジェット装置を製作した。アブレーション電極(珪素、炭素)及び同材料のアブレーション材料を自由に配置し、種々の作動ガス(反応性ガス(窒素、メタン)、非反応性ガス(アルゴン))を用いて、放電電流(3〜25kA、放電時間1ms、放電繰り返し周波数1〜2Hz)の範囲で試作したMPDアークジェット装置の基本作動特性を調べた。作動ガス流量と放電電流をパラメータとして変化させ、放電電圧、反動力、インパクト圧力を測定した。それらデータより、平均ガス噴出速度と電力変換効率を評価した。次に、窒化珪素、炭化珪素膜の溶射実験を実施し、1万ショットの連続作動に成功し、X線散乱測定とビーカーズ硬度測定より、良質の厚い皮膜が形成されていることが明らかになった。
すべて 2008 その他
すべて 雑誌論文 (1件) 備考 (1件)
Proc. of 26^<th> Int. Symp. on Space Technology and Science, Hamamatsu
ページ: 1-6
http://www.oit.ac.jp/med/~tahara/top.html