フレキシビリティーのある浮体構造物(通称、メガフロート)に着目し、これを既存のコンテナターミナルに付加的に適用することにより、近年、就航した超大型コンテナ船が寄港するハブ港での効率的迅速な荷役を実現させるターミナルレイアウトならびに荷役オペレーション方式の代替案を検討することが本研究の目的である。今年度では、以下の2つの研究成果を挙げた。 1.メガフロートによるコンテナターミナルの生産性を向上させるためのバーススケジューリング法の開発を行った。具体的には、船がターミナルに停泊している(バース待ちの時間を含む)在港時間と荷役後出港する時間の2種類の時間の2目的最小化問題としてバーススケジューリング問題を定義して、その効率的な解法を開発した。 2.同形態のターミナルの新たな代替案を考案し、そのターミナルの基本的な性能を評価するシミュレーションモデルを開発した。このシミュレーションモデルは本格的なものではなく、この形態のターミナルの基本的な性能を評価するものであるため、上記のようなバーススケジューリング機能は組み込まず、ターミナル内の各種荷役機器の動作の再現のみを行っている。 これらの成果により、来年度で行う各種ターミナルデザイン代替案での本格的なシミュレーションの環境が整備された。したがって、来年度では、ターミナルの生産性に最も重要であるバースケジューリング機能をシミュレーションモデルに内包させ、本格的なシミュレーションを実施する。
|