| 研究課題/領域番号 |
19656235
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| 研究機関 | 独立行政法人海上技術安全研究所 |
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研究代表者 |
大坪 和久 独立行政法人海上技術安全研究所, 海洋部門, 研究員 (50435773)
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| 研究分担者 |
大松 重雄 独立行政法人海上技術安全研究所, 海洋部門, 上席研究員 (90399519)
丹羽 敏男 独立行政法人海上技術安全研究所, 構造・材料部門, 上席研究員 (10208267)
高井 隆三 独立行政法人海上技術安全研究所, 海洋部門, 主任研究員
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| キーワード | バラストタンク / 腐食・防食 / 境界要素法 / 電位場解析 |
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| 研究概要 |
船舶のバラストタンクは全塗装の約3分の2を占めており、その維持管理は極めて重要である。その塗膜の管理には定期的な補修が必要になるが、タンク内での作業は非常に困難であるために、腐食・塗膜欠陥のモニタリングシステムは必要不可欠な技術である。本研究では、バラストタンクの新しいヘルスモニタリング手法の電位場解析法による方式の確立を目指した。本年度は2年計画の1年目であり、メーカーにおける防食技術の現状把握、及び解析プログラム開発・測定試験を実施する研究計画となっている。具体的に実施した内容は次の通りである。1.防食・鉄鋼・造船会社の現場調査による現状の防食技術の把握2.簡易タンクモデルによる電位場測定試験3.境界要素法による電位場解析プログラムの開発
1.に関しては、造船会社(三和ドック・新来島どっく等)、鉄鋼会社(新日鉄エンジニアリング)、防食会社(ナカボーテック)を訪問して、予め先方に想定質問表を送り、それに基づいたヒアリング調査を実施した。また、実際に定期修繕中の船舶のバラストタンクに入り、腐食の進行状況の調査をすると共に、定期検査の難しさや労働環境の悪さについて確認した。
2.に関しては、無塗装・塗装環境下において、カソード防食下におけるタンク内の電位分布を計測した。アノードの大きさや塗膜欠損面積などをパラメータとして、それらがどの程度、タンク内の電位分布に影響を及ぼしているのかを確認した。計測したデータはデータベースとして整理して、今後の解析プログラム開発のための評価データとして利用する。
3.に関しては、カソード防食下におけるタンク内の電位分布を推定する解析プログラムを開発した。まだ、計測試験データとの比較評価、高速化や逆問題へ対応などが課題として残されているので、これらについては次年度の研究の中で解決していく予定である。
今後の研究の展開としては、バラストタンク内の実地調査によるさらなるデータ収集および可能であれば、実際の船舶のバラストタンクの電位分布などを計測して、今回開発した解析プログラムによる計算結果との比較評価を実施する予定である。3次元防撓材の影響を考慮した計測試験の実施、解析プログラムの高度化やGUI環境の整備などを予定している。現時点までの研究内容については、まだ学会、論文発表などにおいて公表していないので、Web上に研究概要も含めて近々に公開する予定ある。
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