研究課題/領域番号 |
19656239
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
平島 剛 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (00175556)
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研究分担者 |
笹木 圭子 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (30311525)
土居 克実 九州大学, 農学研究院, 講師 (40253520)
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キーワード | 透過型浄化壁 / 微生物群集構造 / 硫酸還元菌 / イオウ酸化細菌 |
研究概要 |
ヒ酸およびマンガンイオンを含む汚染地下水の透過型浄化壁カラム試験を3ヶ月強(カラム空隙体積の36倍の体積をもつ水を通水する時間に相当)実施し、カラム内部の羊糞由来の微生物群集がヒ酸およびマンガンイオンの不動化にどのような影響を与えたかを考察した。微生物を含まない対照試料で構成したカラムも平行して実験を行った。マンガンイオンの不動化には両者に大差は見られなかったが、ヒ酸イオンの不動化には微生物接種カラムはより長く不動化を持続した。3ヶ月後の微生物接種カラム内容物からDNAを抽出し、DGGEにより単一種の細菌に起因する分離されたバンドを切り出し、PCRで増幅し、シークエンシング反応をおこない、オリジナル試料の微生物群集構造を探った。硫酸還元菌に特異的なプライマーおよび一般真正細菌に用いられるプライマーを併用して調べたところ、硫酸還元菌であるDesulfitobacterium hafniense Y-51およびClostridium sp.OhILAs、加えて鉄還元菌であるGeobacter metallireducensが同定された。これらは硫酸還元反応や鉄還元反応、および有機炭素源の分解によるアルカリ度の上昇に起因した炭酸塩の析出に伴う共沈など、複数の反応プロセスと密接にかかわって、ヒ酸およびマンガンイオンの不動化に寄与している可能性が大であると考えられる。clostridium sp.OhILAsおよびGeobacter metallireducensはDesulfitobacterium hafniense Y-51よりもヒ素耐性が高く、より長く効果を持続することが期待される。
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