研究概要 |
持続可能な資源循環型社会をつくることは21世紀の最重要課題の一つである。本研究では,ポリウレタンフォームの最も一般的な原料ポリオール[ヒドロキシ基(OH基)を複数個持つ分子量数千の低分子量ポリマー]であるポリプロピレングリコールの末端ヒドロキシ基に4-アセトキブチルビニルエーテルを,テトラヒドロフラン中,0℃で反応させ,ヒドロキシ基をアセタール化する。こうして得られたアセタール基を介して末端にエステル基を有するポリプロピレングリコールの末端エステル基をアルカリ加水分解し,アセタール基を介してヒドロキシ基を導入したポリプロピレングリコールを合成する。 すでにこのポリオールを比較的小さなスケールで合成し,それを用いて通常のフォーム合成法に従いポリウレタンフォームを合成した。そしてそのフォームを塩酸中,室温で数日間攪拌し,アセタール基の分解が起こるかどうか検討した。塩酸の作用によりフォームが崩壊し,水溶液が乳濁してくる。この乳濁液より分解生成物のポリプロピレングリコールを約80%の収率で回収できた。
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