研究課題/領域番号 |
19656244
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
安藤 晃 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90182998)
|
研究分担者 |
服部 邦彦 日本工業大学, 共通教育系, 講師 (90261578)
戸張 博之 日本原子力研究開発機構, 核融合エネルギー工学研究開発ユニット, 博士研究員 (70361128)
|
キーワード | ヘリウム原子 / 粒子ビーム源 / 準安定励起ヘリウム / ホール加速 / ビーム分光法 |
研究概要 |
近年、大型磁場閉じ込め装置における周辺プラズマ計測として、従来のプローブ計測に替わるビーム分光法を用いた計測法が研究されている。この計測手法では、原子状ヘリウムジェットを周辺プラズマ部に入射し、HeIの分光計測から電子温度密度測定を行う手法であり、そのために100eV程度のエネルギーを有した準安定励起のヘリウム粒子ビームを効率よく生成でき、かつ高粒子束のビーム源が求められている。本研究の目的は、この高粒子束準安定ヘリウム粒子源の開発を行うことである。 本年度は、低電圧で高粒子束のビームを引き出せるホール加速機構を利用したAr用イオン源を改良し、径方向磁場強度を高めるとともに内部電極構造を変更し、プラズマ生成部の改良を行った。ホール加速機構では放電電圧によって磁場中のプラズマ内に電場が生じ、この電場によりイオンが加速されるが、放電特性に直接影響するため、そのままでは電圧を自由に変えることが出来ない。そこで、ビームエネルギーを変化させられるように出口部に第2放電室を設置し、第1放電部との間に電圧を印加することで生成されたイオンの加速エネルギーを変化させた。加速されたイオンビームエネルギーを計測したところ、印加した電圧に対応してビームエネルギーが変化することが確認できた。生成されたイオンビームは低エネルギー(約100eV以下)であり、荷電交換反応断面積が大きいため加速途中で中性化されやすく、出口近傍部で中性化され原子ビームとして外部に放出されるが、その割合は全粒子束に対し50%以上の高い割合であった。
|