研究概要 |
自動車の利便性から,自動車は将来も利用し続けられる必需品となる。われわれの将来エネルギーは,太陽エネルギーを起源とする自然エネルギーを用いて地球上に豊富な水を原料とする水素をエネルギーとする社会になる。 水素を自動車の燃料とする場合,どのように車載するかは今でも討論されている課題であるが,自動車の必須条件である大出力,軽量,小型を満足する水素車載方法は,液体水素の状態で車に積む方法である。しかし,極低温液体水素は極低温状態で断熱タンクに貯蔵する必要がある。しかし,断熱タンクは,完全に断熱にすることは不可能である。よって,外部からタンク内に熱が進入する。その熱によりタンク内の液体水素が自然蒸発する。その結果,タンク内の圧力が上昇し,それがし続ければタンクの破壊圧力まで到達し,タンクは破損してしまう。運転中は,液体水素の自然蒸発量よりは,液体水素の消費量のほうが大きい為,タンク内圧力はむしろ低下する。しかし,液体水素を消費していないときは,タンク破壊を避ける為,蒸発した水素を大気に放出させる必要がある。それを完全に阻止する為には,外部からの電気エネルギーを使って,小型軽量冷凍機によってタンク内で蒸発した水素を再液化させる必要がある。そのことにより,タンク内圧力は低下してタンクの破損につながることはない。都合よく,この現象は車が駐車しているときに起こる現象である。よって,外部から電気エネルギーを使って小型軽量冷凍機を動かすことができる。 この研究は,そのようなシステムが自動車の利便上から見て有効であるかを調査するため,性能の高い小型軽量冷凍機を研究開発して,検証するものである。今年度は,実験部品の試作と実験装置の準備ができた。
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