水素自動車用液体水素貯蔵タンクのボイルオフ量低減策として、小型冷凍機の硬究開発を始めた。 昨年は、車載可能な小型冷凍機としてパルス管冷凍機を机上検討で選定し、それを設計・試作した。今年は、昨年準備して実験装置に組み込んで、ダブルインレットバルブの開度、バッファータンクの容量、脈動周波数等を変化させ、最適実験を行った。コンプレッサーは駆動入力1.6kWを用いた。 その結果、パルス管内での振動流体に低温から高温に向かう定常流を重畳させることが最低到達温度を低下させるのに有効であることが判った。 試作したパルス管冷凍機の性能は、無負荷時、最低到達温度は、19Kまで低下させることができた。1W入熱時は、20.8Kまで降下した。1.5W入熱時は、21.5Kであった。通常、水素自動車用液体水素貯蔵タンクのタンク圧は、絶対圧力で0.2MPaにする。液体水素の沸点は、約23Kであることから、タンク内で蒸発した水素ガスは、理論的には温度差がつくことから、このパルス管冷凍機で再液化は可能である。しかし、貯蔵タンクの入熱量にもよることから、これも貯蔵タンクを作って実験検討する必要がある。 コンプレッサーの消費電力が1.6kWと大きいことから、パルス管冷凍機の効率を大幅に向上する必要がある。
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