森林地下土壌圏の微生物群集の調査、解析手法について、検討した。調査手法として、北海道大学苫小牧研究林において、地表面の土地利用が火山噴出降下物の下に埋没した、腐植相のび生物群集に与える影響を検討するために、縦穴を彫り込み、そこから、横方向に土壌水採水装置を導入し、本経費で購入した定圧ポンプを用いることで、土壌間隙水を効率的に採取できることを確認した。さらに、この土壌水に含まれる微生物の群集構造を解明するために、T-RFLP(末端蛍光修飾制限酵素断片多型性)法の有効性を検討した結果、多様な微生物群集を把握できることが確認された。しかし、同時に、多数のOUTが確認できたことで、PCRに際して、機会的に増幅されるOUTが決定されるバイアスが確認された。今後、さらに、このような問題を克服し、微生物群集とその生態系機能(物質循環)の関係を明らかにするための技術開発が望まれる。
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