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2008 年度 実績報告書

昆虫の死んだふりと活動性を多面的に支配する生体物質の生理学的解明

研究課題

研究課題/領域番号 19657026
研究機関岡山大学

研究代表者

宮竹 貴久  岡山大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (80332790)

研究分担者 佐々木 謙  金沢工業大学, バイオ・化学部, 准教授 (40387353)
キーワード生体アミン / 不動 / 死にまね / ドーパミン / カフェイン / 脳内発現量 / 神経伝達物質 / 捕食回避行動
研究概要

(1)長い時間擬死するコクヌストモドキのロング系統と擬死時間の短いショート系統間で、脳内で発現する生体アミシー類であるドーパミン・オクトパミン・チラミン・セロトニンをHPLC-electfochemical detection法を用いて測定した定量化した結果、ショート系統はロング系統に比べて、脳内ドーパミンの発現量が有意に高かった。一方、チラミン・セロトニン・オクトパミンの発現量は系統間で異ならなかった。またドーパミンのアクティベーターとして知られるカフェインの経口摂取によってもL系統の擬死時間の短縮が観察された。これはカフェインによるドーパミン受容体の活性化の結果であると解釈できる。以上の結果より、コクヌストモドキの活動性を支配する生体アミンのドーパミンが死にまね行動の解発に深く関わっているものと結論付けられた。ロング系統はショート系統に比べて幼虫期における不動も頻繁に示されるために、ドーパミンの作用は変態の前後を通じて変らず作用するものと考えられ、その発現量には遺伝変異があることが示された。(2)アズキゾウムシとヨツモンマメゾウムシを用いて、温度と擬死時間の関係について調べたところ、擬死時間・擬死深度はともに温度の上昇とともに浅くなるあことがわかった。以上の結果も、体内の生体アミン類が擬死行動による不動時間に関与していることをサポートする。(3)アクトグラフ解析システムにより歩行活動量を計測したところ、ショート系統はロング系統に比べてより活動的であることがわかり、エネルギー消費が高く、寿命など生存に関する形質に負の影響を及ぼすこともわかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Pleiotropic anti-predator strategies. fleeing and feigning death. correlated with dopamine levels in Tribolium castaneum.2008

    • 著者名/発表者名
      Miyatake T. Tabuchi K. Sasaki K. Okada K. Katayama K. Moriya
    • 雑誌名

      Animal Behaviour 75

      ページ: 113-121

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Negative relationship between ambient temperature and death-feigning intensity in adult Callosobruchus maculatus and C. chinensis.2008

    • 著者名/発表者名
      Miyatake T. Okada K. Harano T
    • 雑誌名

      Physiological Entomology 33

      ページ: 83-88

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Female mating receptivity after injection of male-derived extracts in Callosobruchus maculatus.2008

    • 著者名/発表者名
      Yamane T. Miyatake T. Kimura Y
    • 雑誌名

      Journal of Insect Physiology 541

      ページ: 1522-1527

    • 査読あり
  • [学会発表] 集団で暮らす生物がしめす利己的な不動 : ダルマさんが転んだ!2008

    • 著者名/発表者名
      宮竹貴久, 中山慧, 西優輔, 中島修平
    • 学会等名
      日本動物行動学会第27回大会
    • 発表場所
      金沢大学
    • 年月日
      20080924-20080926
  • [図書] 第17節 行動の制御機構と遺伝子の多面発現 p. 564-570 昆虫ミメティクス2008

    • 著者名/発表者名
      宮竹貴久ほか
    • 総ページ数
      564-570
    • 出版者
      NTS出版社
  • [備考]

    • URL

      http://www.agr.okavama-u.ac.jp/LAPE/publication.htm

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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