研究課題
本申請は、「RNA修飾酵素のDNAに対する潜在活性があるため、ある特定の配列をもったtRNA遺伝子は排除され、それゆえに、ある特定の領域で4コドン・ボックスの使用が困難になる」という仮説の検証を究極の目的とします。この仮説にはいくつかの飛躍がありますので、まず、RNA修飾酵素のうち、DNAに作用しうる活性をもつものを洗い出し、その結果をもとに考察する計画であります。平成19年度は、以下のRNA修飾酵素の発現系および複合体の調製系を構築し、そのRNA認識機構の解析に着手しました。(1)TgtのDNA認識について、tDNAを用いて詳細に検討し、報告しました。(2)TadAの発現系を構築し、組み換え酵素を用いてDNAに対する特異性を調べたところ、微弱ながらも、脱アミノ化活性を有していることを確認しました。そこで、TgtとTadAを組み合わせ、転写産物への活性を調べたところ、イノシンからグアニンへの塩基交換活性を確認しました。これらは、いずれも未発表であり、引き続き平成20年度に詳細な検討を加える予定であります。(3)Trm8-Trm82複合体の調製方法を工夫し、その詳細について報告しました。(4)TrmH-AdoMet-tRNA複合体の調製方法を開発し、TrmHと核酸との相互作用解析に着手し、その結果の一部について報告しました。(5)TrmBのC末構造が、タンパク質の安定性とメチル化部位の選択性に寄与していることを明らかにし、報告しました。(6)Aquifex aeolicus Trm1が26位のみでなく、27位もメチル化する新規なm22Gメチル化酵素であることを発見しました。この件については、未報告です。
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