研究課題
昨年度に続き、ダイニンが微小管に規則的に結合する複合体の作成を、ホヤのダイニンを用いて試みた。微小管を重合後にダイニンを加える方法に加え、ダイニンの存在下で微小管を重合する方法を試したが、ダイニンの結合する割合が低かった。第1の方法で作成した複合体については、クライオポジティブ電子顕微鏡による観察を開始した。複合体試料に0.1%酢酸ウラニルを添加し、直後に凍結してクライオ電子顕微鏡法で観察することにより、複合体の構造を従来のクライオ電顕法よりも高コントラストで観察することができた。規則的な複合体の作成される割合が低いため観察例はまだ少ないが、ウニのダイニンの場合は2個の頭部が重なって1つのリングとして観察されたのに対し、ホヤではこれと異なり、2個の頭部の位置がずれているように見えた。ただ、構造はかなり多様であり、今後観察例を増やしていく必要がある。テトラヒメナに関しても、外腕ダイニンを精製し、複合体の作成実験を開始した。ホヤのダイニンにおいて、軽鎖等のサブユニットの位置を調べるため、抗体標識したダイニン分子の電子顕微鏡観察も行った。軽鎖LC3に対する抗体は分子の尾部に結合したのに対し、軽鎖LC1に対する抗体では、頭部に標識が確認された。
すべて 2008
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Proceeding of National Academy of Science, USA 105
ページ: 19702-19707