研究課題/領域番号 |
19657055
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中山 啓子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60294972)
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研究分担者 |
原 賢太郎 東北大学, 大学院・医学系研究科, COEフェロー (60400248)
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キーワード | Geminin / histoneH3.1 / 蛍光タンパク質 / ノックアウトマウス / セントリンII |
研究概要 |
細胞内の染色体を特異的に蛍光標識するために染色体上に結合しているhistone H3.1の遺伝子に蛍光タンパク質であるGFP遺伝子を融合させた融合遺伝子を作製した。これを試験管内で転写を行い、mRNAを得た。このmRNAを受精卵へ注入した。受精卵内で翻訳され機能的なタンパク質を作るならば細胞内で蛍光が観察されるはずである。そこで蛍光顕微鏡を用いて観察したところ、mRNA注入後6時間後から、染色体に一致して蛍光が観察された。そしてこの蛍光は、48時間にわたり観察された。 この結果をもとに、Gemininノックアウト胚にhistone H3.1-GFP融合遺伝子を注入し、染色体をラベルした。その胚を48時間培養しつつ蛍光顕微鏡で観察したところ、Gemininノックアウト胚では、正常胚に比較し細胞周期M期の時間が延長し、さらに染色体分配の異常を示した。 次に中心体に局在するセントリンIIとRFPとの融合遺伝子を作製した。この遺伝子を培養細胞であるHeLa細胞に導入したところ、中心体に局在するγ-チューブリンが染色される部分がRFPの蛍光を発した。このことは、セントリンII-RFP融合タンパク質は、中心体に局在することを示している。 この融合タンパク質によって中心体がラベルできることが確認できたので、この遺伝子を試験管内でmRNAに転写し、受精卵に注入した。注入後蛍光顕微鏡で観察したところ、蛍光が非常に弱く、継続的に観察することはできなかった。そこでmRNAの濃縮や、注入する量の調整を行っている。
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