マウス・クローディン分子の膜4回貫通部位と相互作用する膜タンパク質群を、分割ユビキチン酵母Two hybrid法(Dual systems)を用いてマウス脳ライブラリーを用いて網羅的に探索した。Bateタンパク質としてマウス・クローディン全長タンパク質を用い、2回のスクリーニングを行ったが相互作用するタンパク質校は得られなかった。酵母小胞体内での全長クローディンの発現量が少なすぎたことが原因と考えられる。また、細胞-細胞間接着を撹乱するキナーゼ阻害剤を網羅的に可視化スクリーニング法で抽出することを目的とし、マウス上皮系細胞・Eph4にクローディン-YFP(CL3-YFP)とその裏打ちタンパク質・ZO-1-CFPの両方を恒常的に発現するstable transfectant樹立を試みたが樹立は難しく、クローディン-YFPのみ発現する株細胞(Eph4-CL3-YFP)が樹立できた。そこで、コンフルエントな状態に培養したEph4-CL3-YFP細胞に対し、10μM及び100μMの二種類の濃度のキナーゼ阻害剤(30種類)を3時間、37℃処理した後の細胞間接着の様子を共焦点レーザー顕微鏡で観察した。この時、CL3-YFPの蛍光像の変化(網目状の細胞接着の撹乱)を指標にしてキナーゼ阻害剤の効果を調べたところ、細胞-細胞間接着の攪乱状態以外に、細胞-基質間接着が攪乱されるもの、阻害剤自身の着色により細胞接着が一見乱れて見える阻害剤等10数種類の阻害剤が細胞間接着に何らかの効果を示すという結果となった。そこで、阻害剤自身の着色の効果や細胞-基質間接着への影響を除いた真の細胞-細胞間接着を攪乱するキナーゼ阻害剤を抽出するため、CL3の裏打ちタンパク質の一つである内在性ZO-1を間接蛍光抗体法で染色し、阻害剤処理細胞のCL3-YFPとZO-1の二色の蛍光像を比較検討する方法で、上記阻害剤の正確な抽出法を確立した。
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