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2007 年度 実績報告書

イネのアレロパシー物質とその生成量を支配する量的形質遺伝子座の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19658001
研究機関筑波大学

研究代表者

奥野 員敏  筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (70355460)

キーワード栽培イネ / アレロパシー活性 / アレロパシー物質 / フェノール化合物 / QTL解析 / DNAマーカー / 生物的雑草防除
研究概要

本研究は、アレロパシー(他感作用)を利用した雑草の生物的防除を最終目標として、イネのアレロパシーに関する遺伝学的基礎を解明し、雑草耐性イネ開発のための育種基盤の構築を目的とする。この研究課題では、イネのアレロパシーに関係する物質を同定し、その生成量を制御する量的形質遺伝子座(QTL)を特定する。そのため、平成19年度は、イネのアレロパシー関連物質として報告のあるフェノール化合物の検出条件を検討し、フェノール化合物の品種間変異を解析し、また世界のイネ品種の遺伝変異を代表するコアコレクションを用いてアレロパシー関連候補物質を検索した。
(1)25種類のフェノール化合物の標準サンプルを用いて、HPLCによるフェノール化合物の検出条件を確定した。
(2)確定した検出条件により、アレロパシー活性が最大の6葉期のイネ苗からフェノール化合物を抽出し、遺伝解析に用いたPI312777(アレロパシー活性強)とRexmont(アレロパシー活性弱)の間で比較した。その結果、イネ苗からは20種類のフェノール化合物を検出・同定できた。PI312777は20種類すべてのフェノール化合物を含有したが、Rexmontは10種類のフェノール化合物のみを含有した。個々のフェノール化合物の含有量とアレロパシー活性との相関性から、7種類のフェノール化合物をアレロパシー関連候補物質として特定した。 (3)世界の栽培イネ66品種からなる世界イネ・コアコレクションおよびその候補品種・系統を含み計183品種・系統のフェノール化合物を定量分析した。各品種のアレロパシー活性との相関性から、PI312777とRexmontを用いて特定した7種類のフェノール化合物がアレロパシー関連候補物質であることを再確認した。
(4)その候補物質は、pyrogallic acid、protocatechuic acid、p-hydrobenzoic acid、syringic acid、m-hydroxybenzoic acid、salicyclic acidおよび(+)camphorの7種類のフェノール化合物である。
今年度得た結果を踏まえ、平成20年度には、アレロパシー関連候補物質の生清涼に関する遺伝解析を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 図書 (1件)

  • [図書] Sustainable rice production:present state and perspectives2007

    • 著者名/発表者名
      奥野員敏、Momtaz Hegab、江花薫子
    • 総ページ数
      412
    • 出版者
      ロシア農業科学アカデミー

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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