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2008 年度 実績報告書

配偶子致死遺伝子を利用したコムギにおけるTILLINGシステムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19658004
研究機関京都大学

研究代表者

遠藤 隆  京都大学, 農学研究科, 教授 (60068830)

キーワードコムギ / TILLING / 配偶子致死染色体 / 染色体 / 点突然変異 / Gc遺伝子 / 染色体突然変異
研究概要

TILLING(Targeting Induced Local Lesion in Genome)システムは突然変異集団から点突然変異(ヌクレオチドの変異)を大規模にスクリーニングする極めて効率的な方法である。配偶子致死遺伝子(Gc遺伝子)は、パンコムギに染色体突然変異を誘発することは明らかになっている。本研究は、Gc遺伝子が点突然変異を誘発するかどうかを明らかにする目的の実験を行った。前年度までに、パンコムギ品種Chinese SpringにGc遺伝子の座乗する配偶子致死染色体2Cが添加された系統を育成し、そのF1子孫1139個体の内、表現型から2C染色体の無いと思われる692個体、及び、オオムギ3H染色体と2C染色体添加系統の子孫706個体の内、種子の取れた約400個体からDNAを抽出した。年度当初はこれらのDNAを用いてTILLINGする予定であったが、岡山大学資源生物科学研究所でDNA塩基配列のシークエンスを迅速にしてもらえることが判明したので、予定を変更して、3Hの子孫の約400個体についてオオムギの2つの遺伝子(rym4、uzu)の各5領域(それぞれ約500bp)のシークエンスを行った。その結果、rym4遺伝子については、20個体で1塩基の挿入が見つかった。この挿入の位置と塩基はランダムであった。uzu遺伝子については、15個体で11箇所にわたって塩基置換が見つかった。ところが、この内8箇所の置換は全く同じものであったことから、この置換は一世代前に起こって、分離したことが想定された。いずれにしても、本研究の結果は、Gc遺伝子が塩基レベルでの変異も高頻度で誘発していること、また、遺伝子領域によって異なる変異を誘発することを示唆した。今後は、これらの変異の再確認とTILLINGによる広範なゲノム領域における変異の解析を行う。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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