研究概要 |
1. 難分解性有機物を含む園芸作物残渣のアルカリ加水分解処理技術の開発 園芸作物残渣を処理するために必要な微生物群の働きを調べるため, 数種の有望な菌を混合した分解促進用培地を作成し, 条件を変えて微生物群による複合分解促進作用を調べた。その結果, バチルス属菌, 放線菌, グラム陰性菌, その他糸状菌類などを混合した分解培地を用いることにより速やかに分解できることが確認されたことから, 今後は菌類の混合比率などを中心に検討する。 2. 微生物発酵槽の開発 微生物による一次分解を実施するためには, 好適な条件を作り出せる微生物発酵槽の開発が必要であった。そこで, 本年度の研究では, 既存の微生物発酵槽を改良した新しい発酵槽を作成した。現在, 分解菌類自身による発酵により60〜70℃まで温度を上げることができるが, 断熱性や撹拌条件などを更に改良することにより, 最適な分解条件を確認している。 3. アルカリ加水分解処理産物の品質調査 製造したアルカリ加水分解処理産物の1)粒状化, 2)窒素含量, 3)セルロース残存量等を調査した。その結果, 通常の園芸作物残渣であれば, きわめて理想的な粒状化が可能であり, 含有窒素をほぼ除去できることが分かった。セルロースの分解については更に検討を要することが明らかになったことから, 次年度に向けて, 更なる分解条件の検討を行う。
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