研究概要 |
1.難分解性有機物を含む園芸作物残渣のアルカリ加水分解処理技術の開発 園芸作物残渣を処理するために必要な微生物群の働きを調べるため,平成20年度に取り組んだ数種の有望な菌を混合した分解促進用培地を利用し,投入量や発酵条件等を変えて引き続き微生物群による複合分解促進作用を調べた.その結果,水分吸収剤としておが屑10Lに対して,園芸作物残渣1kgを加え,上記の分解促進用微生物を,予め米糠や豆腐かすを栄養源とした培地上で発酵を促進させた分解促進剤を0.5~1kg加えることにより,適切な一次発酵状態を得られることを明らかにした. 2.微生物発酵槽の開発と改良 微生物による一次分解を実施するためには,好適な条件を作り出せる微生物発酵槽の開発が必要であった.そこで,平成20年度に開発した一次発酵槽を,断熱性や撹拌条件などがより優れた発酵槽に改良して分解実験を行った. 3.アルカリ加水分解処理産物の品質調査 製造したアルカリ加水分解処理産物の1)粒状化,2)窒素含量,3)セルロース残存量等を調査した.その結果,通常の園芸作物残渣であれば,実用的な粒状化が可能であり,窒素含量もほぼOにすることができた.ただし,リグニンについてはなお検討の余地があることから,今後の課題として研究を続ける. また,平成上記の成果に,平成20年以前に実施した実験結果のうち,未発表の部分を加えた結果を現在投稿論文に纏めており,平成22ないし23年度中に掲載できる予定である.
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