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2007 年度 実績報告書

「防根給水ひも」の水駆動力を利用したトマト簡易栽培法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19658014
研究種目

萌芽研究

研究機関岡山大学

研究代表者

桝田 正治  岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (90026617)

研究分担者 村上 賢治  岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 講師 (40200266)
キーワード防根給水ひも / トマト / 毛管水 / 緩効性肥料 / 環境負荷低減型灌水法
研究概要

『防根給水ひも』栽培手法の確立に向けて栽培試験に取り組んだ。栽培容器を1stBox (3リットル)、2ndBox (3リットル)に仕切り、生育途中での根域開放効果について試験した。大玉トマトの秋〜冬季の8段穫り栽培では、開放による6リ ットル培地で収量は若干、高まるものの有意差はなく1stBoxの培地量で問題ないことを明らかにした。また、水要求量が増す春〜夏季の雨よけハウス栽培において、(1)定植始めから栽培終了まで1stBox、「ひも」1本で給水するS(1)区、(2)4段花房ホルモン処理時に2ndBoxに培土を加え、1stBoxの「ひも」1本で給水をするS(1)+S(0)区、(3)S(1)+S(0)区と同様に培土を追加し、給水は両Boxの「ひも」2本で給水するS(1)+S(1)区を設けて試験したところ、根域開放(6リットル培地)により株当たりの収量は約1kg増加した。「ひも」適用の効果についてはS(1)+S(0)区に比べS(1)+S(1)区は株当たりの収量が増加したが、その差は0.4kg程度であった。根の乾物重は処理区間に有意差はなかったが、2ndBoxにおいては、「ひも」を配置したS(1)+S(1)区はS(1)+S(0)区よりも著しく増加した。以上の結果から、植物の水分要求量が増す春〜夏季にかけての栽培では1stBoxのみの栽培では収量が低下するため、保水のため培土を増やす必要があると考えられた。「ひも」適用の有無については生育、収量に大きな差はないため培地量6lに対し「ひも」1本でも植物の水分要求量は満たされていると考えられた。
他方、養分はあらかじめ緩効性肥料で培地に混和しておき、「ひも」では水のみを送り込む方法が考えられる。11月15日(第8段花房開花時)に仕切りを外し土量を2倍にした。中玉トマト第18段果房上2葉を残して摘心した。摘心部茎葉重はひも2本区で1本区の2倍、株当たりの収量も約1kg高かった。果実糖度と酸度にはひも1、2本区間に大きな差はなかった。根乾物重とSap量にひも1、2本区で差は認められなかった。Sap分析はNO3-N濃度(6〜10me/l)とMg濃度(2〜3me/l)が低く、Ca濃度(80〜100me/l)が異常に高いことを示した。以上の結果より、中玉トマトの長期促成栽培においては、仕切り開放に伴う「ひも」の適用は、生育の安定と収量の増大に有効であることが明らかとなったが、収穫終了時のSap分析においてNO3-N濃度が低すぎることから、窒素肥料のタイプと施与量の検討が必要があると考えられた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] 「防根給水ひも」によるトマトの新規栽培手法2008

    • 著者名/発表者名
      桝田正治
    • 雑誌名

      農業及び園芸 83

      ページ: 20-25

  • [雑誌論文] 「毛管給水ひも」によるトマト栽培の可能性について2008

    • 著者名/発表者名
      桝田正治
    • 雑誌名

      岡山大学農学部学術報告 97

      ページ: 49-54

  • [学会発表] 「防根給水ひも」を用いた果菜類の養水分需給バランス栽培法の開発第7報 緩効性肥料を用いた中玉トマト長期促成栽培において根域拡張と「ひも」適用が果実収量と品質に及ぼす影響2008

    • 著者名/発表者名
      桝田正治
    • 学会等名
      園芸学会
    • 発表場所
      東京農業大学
    • 年月日
      2008-03-28
  • [学会発表] 「防根給水ひも」を用いた果菜類の養水分需給バランス栽培法の開発第6報 春〜夏季の大玉トマト'ハウス桃太郎'栽培において根城拡張と「ひも」適用が果実収量と品質に及ぼす影響2008

    • 著者名/発表者名
      森重歩己(桝田正治)
    • 学会等名
      園芸学会
    • 発表場所
      東京農業大学
    • 年月日
      2008-03-28
  • [学会発表] 野菜における環境負荷低減型灌水法の研究開発2007

    • 著者名/発表者名
      桝田正治
    • 学会等名
      日本作物学会
    • 発表場所
      金沢大学
    • 年月日
      2007-11-26
  • [学会発表] 「防根給水ひも」を用いたトマト砂栽培手法の開発-春作における中玉系トマトの果実収量と品質2007

    • 著者名/発表者名
      Zoha Md Shamsuz(桝田正治)
    • 学会等名
      園芸学会
    • 発表場所
      香川大学
    • 年月日
      2007-09-29
  • [学会発表] 「防根給水ひも」を用いた果菜類の養水分需給バランス栽培法の開発第5報 秋〜冬季の大玉トマト'ハウス桃太郎'の成育と収量に及ぼす培地量の影響2007

    • 著者名/発表者名
      森重歩己(桝田正治)
    • 学会等名
      園芸学会
    • 発表場所
      香川大学
    • 年月日
      2007-09-29
  • [学会発表] 「防根給水ひも」を用いた果菜類の養永分需給バランス栽培法の開発第4報 春〜夏季における大玉、中玉トマトの生育特性と収量性2007

    • 著者名/発表者名
      森重歩己(桝田正治)
    • 学会等名
      園芸学会中四国支部
    • 発表場所
      島根大学
    • 年月日
      2007-07-28

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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