研究課題
ファイトプラズマ(Phytoplasma asteris)はヨコバイなどの昆虫により伝搬され、700種以上の植物に病気を引き起こす農業上重要な植物病原細菌であり、約40年前に世界に先駆け我が国で最初に発見された最小生命体の一つである。我々は2004年に、Phytoplasma asteris OY strainのゲノムを解読し(Oshima, et. al., Nature Genetics, 2004)、ファイトプラズマが代謝関連遺伝子の多くを失い、代わりに代謝物質の多くを宿主に依存した生活を送る生物であることを明らかにした。ファイトプラズマのマイクロアレイ解析に向けて、今年度はゲノムにコードされる遺伝子の選抜とPCR増幅を行った。マイクロアレイ解析に用いるDNAチップには、大きく分けてスタンフォード方式とオリゴアレイ方式があるが、ファイトプラズマの発現解析の場合、宿主RNA存在下でのファイトプラズマRNAを検出する必要があり、非特異的なバックグラウンドを軽減するためにプローブ長の長いスタンフォード方式を採用することにした。DNAチップに搭載するプローブは、我々が解読したPhytoplasma asteris OY strainのゲノム情報に基づいて設計し、各遺伝子に対するプローブ長は300bpとした。また、ハイブリダイゼーション条件によりDNAレベルで92%以下の相同性であれば発現量を特異的に検出できることが知られており、この条件に従って各遺伝子のプローブ部位を設定した。
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DNA and Cell Biology 27
ページ: 209-217
Phytopathology 掲載確定
Bulletin of Insectology 60
ページ: 105-107