研究概要 |
1)哺乳細胞を含む培養細胞へ導入し、lacZと抗生物質耐性を利用することで、Moslがどのような細胞において転移性を示すのかをまず調べるために、マリナーの一種であるMoslの転移性を調べるため4つの組換えプラスミド{(Mosl helper vector SR αp,pAd31-SR αp,5211bp),Mosl donor vector (ielp,pAd31-ie lp,4911bp),Mosl donor vector (pGEM-Teasy-lacz-IR,3519bp),Mosl target plasmid,pUC-Tet,4602bp)}を構築した。次年度は、培養細胞への転移ユニットをバキュロウイルスゲノムに導入し、バキュロウイルスゲノムを介した転移の可能性を探る。 2)系統樹からMLEの水平伝播は示唆されているが、より精緻な統計学的評価を行うため、coalescenceによる水平伝播の年代推定の方法論を検討した。そのためには種分岐がよくわかっている種について多型を含めて調べる必要がある。代表者が今年度、特定地域のクワコだけに完全型がみられ、カイコでは変異を蓄積しているMLEを発見した(J. Insect Biotech. & Sericology, 2007)ので、まずこの完全型MLEの侵入年代の推定を行うことを次年度の当初、検討する。 3)海外共同研究者であるProf. Daniel Hartlの研究室において、moslTPがP-elementの切り出しをうけず、トランスにTPを供給した場合、X染色体上peachが切り出されて、モザイク目に変わる。一方、Pelementで挟まれた(hsp70-TP)が切り出されて(ΔMr182)、moslTPを持たない個体は目がモザイクにならない。これでTPを持つ個体とそうでない個体を識別する交配実験を進めた。
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