研究課題
1)(1)Moslの転移(挿入)活性の検定:ヘルパープラスミド(トランスポゼース遺伝子、Amp+)とドナープラスミド(Moslの末端反復配列に挟む形でLacZ遺伝子を組み込んだバクミドFastBac、Amp+、Gm+)、およびターゲットプラスミド(Amp+,Cm+)をトランスフェクションし、一定期間培養した後、これを回収、大腸菌にトランスフェクションしてCmを含む個体培地(IPTG+、X-gal+)上でコロニーを形成させた。約0.1%の割合でコロニーがLacZ+(青)となったが、解析した全ての青色コロニーでは、ドナーとターゲットプラスミドが共存しており、LacZ遺伝子が転移したターゲットプラスミドは検出できなかった。(2)切出し活性の検定:スクリーニング薬剤をGmに換えた。ヘルパーとドナープラスミドを(1)同様のS2細胞にトランスフェクションし、一定期間培養した後、これを回収、大腸菌にトランスフェクションしてGmを含む個体培地(IPTG+、X-gal+)上でコロニーを形成させた。形成された7x10^4個のコロニーの内、切り出されたことを示す白色コロニーは認められなかった。以上の結果、S2細胞にはMoslの転移活性は認められないと考えられた。2)転移因子が何らかのメカニズムで活動を始める、十分な世代が経過すれば、遺伝的浮動によって、そのタイプの転移因子は、すべての個体の全てのサイトに侵入するか、消滅するかのいずれかの状態に到達する。実際、ショウジョウバエのMLE(mariner-like element)については、近い種でMLEの有無が一致しないのに遠い種で一致することがあり、遺伝的浮動のためと考えられている(Maruyama & Hartl,1994)。そこで、転移因子がすべての個体の全てのサイトに侵入する確率を、多次元の拡散モデルを用いて導出した。このアプローチはマリナーにも応用できることが示唆された。3)マイクロアレイ実験(RNAサンプル)に供するためのショウジョウバエの系統確立を、遺伝学的な交配とGerm Line Transfomlation Vectorの開発、という両方向からアプローチした。
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