リソソームや細胞傷害顆粒に局在する膜貫通タンパク質LAMP-1(lysosome-associated membrane protein-1)は、そのC末端側がサイトソル側に突出し、リソソームへの局在化に必要な11アミノ酸を含んでいる。そこで、LAMP-1遺伝子のC末側に免疫沈降が可能なエピトープタグ(FLAG)を付加した融合遺伝子の構築を行った。まず、ラットナチュラルキラー細胞株RNK-16細胞よりトータルRNAを調製し、オリゴdTを用いた逆転写反応によってcDNAライブラリーを作製した。それを鋳型として、制限酵素(EcoRI、 XhoI)配列を連結した一対のプライマーによって、シグナル配列を含むLAMP-1遺伝子の全長をPCRで増幅した。このPCRフラグメントをC末側にFLAGタグを連結できる動物細胞用発現ベクター(CMVプロモーター、ネオマイシン耐性遺伝子)にクローニングした。DNA塩基配列解析を行ったところ、変異のないLAMP-1遺伝子であることが確認された。さらに、このプラスミドを鋳型として、LAMP-1(FLAG)遺伝子を、2種類の動物細胞用発現ベクター(EF-1αプロモーター・ピューロマイシン耐性遺伝子、およびSRαプロモーター・ピューロマイシン耐性遺伝子)に挿入した。これらのLAMP-1発現ベクターをリン酸カルシウム法によってHEK293T細胞に一過的にトランスフェクションし、抗FLAG抗体によってFLAG-LAMP-1の発現を検出した。その結果、90-120kD付近に、糖鎖が付加したと思われるブロードなバンドが観察された。
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