C57BL/6マウスより単離した脾臓細胞をコンカナバリンAで3日間刺激した。この幼若化したT細胞よりトータルRNAを調製し、オリゴdTを用いた逆転写反応によって、cDNAライブラリーを作製した。それを鋳型として、制限酵素配列(EcoRI、XhoI)を連結した一対のプライマーによって、T-bet遺伝子およびEomesodermin遺伝子の全長をPCRで増幅した。これらのPCR産物をN末端にFLAGタグを連結できる動物細胞用発現ベクター(CMVプロモーター、ネオマイシン耐性遺伝子)にクローニングした。DNA塩基配列解析を行い、変異のないT-bet遺伝子とEomesodermin遺伝子であることが確認された。ヒト胚性腎293T細胞に一過的に発現させ、抗FLAG抗体によるウェスタンブロッティングを行ったところ、予想される分子量にT-betタンパク質およびEomesoderminタンパク質が検出された。さらに、FLAG-T-bet遺伝子を3つの動物細胞用発現ベクター(SRαプロモーター・ピューロマイシン耐性遺伝子、EF-1αプロモーター・ピューロマイシン耐性遺伝子、EF-1αプロモーター・ハイグロマイシン遺伝子)にサブクローニングし、FLAG-Eomesodermin遺伝子を2つの動物細胞用発現ベクター(SRαプロモーター・ピューロマイシン耐性遺伝子、EF-1αプロモーター・ピューロマイシン耐性遺伝子)にサブクローニングした。FLAG-T-bet遺伝子、およびFLAG-Eomesodermin遺伝子をマウスT細胞リンパ腫BW5147細胞に安定的に発現させるために、ピューロマイシンおよびハイグロマイシンのBW5147細胞に対する感受性を検討した。その結果、BW5147細胞は、ピューロマイシン0.5μg/mlおよびハイグロマイシン1.5mg/ml以上でほぼ完全に死滅すること確認された。
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