研究課題/領域番号 |
19658066
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
土居 修一 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (20279508)
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研究分担者 |
中川 明子 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教 (30323249)
吉村 剛 京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (40230809)
堀澤 栄 高知工科大学, 工学部, 准教授 (20368856)
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キーワード | イエシロアリ / ヤマトシロアリ / 白色腐朽材 / 褐色腐朽材 / トランセクト法 / 腐朽試験 |
研究概要 |
ヤマトシロアリの採取をするためにアカマツあるいはクロマツ林内で枯れ枝や切り株中を探索した時、褐色腐朽材や健全材ではシロアリが営巣・摂食して居ることには頻繁に遭遇するが、白色腐朽材にはほとんどシロアリが営巣・摂食していない。褐色腐朽材ではセルロースやヘミセルロースなどが優先的に分解されリグニンが残されているのでシロアリの餌としてはむしろ不都合であるが、初期腐朽では適度に柔らかくなって養分もほとんど残されており、また腐朽菌種によっては道しるベフェロモンとして働く代謝産物を作ることもあるため営巣・摂食しやすいと考えられる。他方、白色腐朽材にはリグニンが少なくセルロース、ヘミセルロースが残されており、しかも適度に柔らかくなって営巣・摂食しやすく褐色腐朽材より優れた餌になりうるはずであり、上記の事象の合理的な説明がつかない。本研究の目的はこの理由を明らかにすることである。 今年度は、この現象がイエシロアリとヤマトシロアリが混在した地域でも見られる現象か確認することおよび実験的にこの現象の原因を追究するための腐朽材試料を収集することを目的として、京大生存研のシロアリ試験地でトランセクト法による調査を実施した。また、収集した資料から腐朽薗を分離し、木材腐朽試験を実施した。 トランセクト法による調査では、試験地の任意の3区画での調査によって、白色腐朽材がイエシロアリおよびヤマトシロアリに忌避される傾向があることが確認された。また、2年前に埋設しておいたアカマツステークにおいても同様の現象が確認された。収集した白色腐朽材から分離培地によって菌を純粋分離し、木材腐朽試験を実施している。
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