プリオン病を発病したmouse(C57BL/6J)より採取した脳(Fukuoka-1株)をプリオン脳乳剤として用い、MnPによるPrPRes処理条件を詳細に検討した。その結果、 MnPによるPrPResの分解条件はMnP 60U/well、GOD 8〜25 U/well、MnS04 20mMが最適であることが判明し、この条件下では6時間処理でPrPResの分解が可能であった。さらに、異なるプリオン株として、ヒツジのスクレイピー由来マウス順化株であるRML株、およびウシBSE株のMnP処理を行ったところ、先の処理条件でRML株およびBSE株ともにPrPResの消失を確認した。現在、 MnP処理後のFukuoka-1株由来PrPResをマウス脳内および腹腔内へ投与し、感染性評価を行っている。 一方、MnPによるPrPResの分解メカニズムの解明を行うために、マウスプリオンタンパクをコードする遺伝子(aa 23-230)を組み込んだE.coli(XL1-blue)recPrPを大量発現させた。タンパクを可溶化させた後、His-tagカラム用いてrecPrPの精製を行った。 SDS-PAGEならびにWestern Blotting分析により精製recPrPが得られた事を確認した。得られたrecPrPをMnP処理したところ20分以内に完全に消失した。現在得られたrecPrPをPrPResのモデルタンパクとして用いるために、recPrPのβシート構造へのfoldingを検討中である。
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