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2008 年度 実績報告書

遺伝子発現を指標にした卵質評価方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19658072
研究機関東北大学

研究代表者

鈴木 徹  東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (70344330)

キーワード卵質 / 種苗生産 / レチノイン酸 / アリル炭化永素受容体 / 卵巣培養
研究概要

魚類増養殖の種苗生産の効率化には、孵化率と正常発生率が高い良質な卵を安定的に生産する技術開発が必須である。本研究は、母性由来で蓄積される卵黄中栄養素が卵質に及ぼす影響を分子・遺伝子レベルで解析することを目的とする。昨年度は、卵黄中レチノイド、カロテノイドが発生制御遺伝の発現やストレス耐性に及ぼす影響を解析した。本年度は、飼料中栄養素が母親の体内で起こる卵発生に及ぼす影響を解析することを目的として、ゼブラフィッシュを用いて卵巣におけるレチノイド代謝酵素とレチノイン酸受容体の発現をin situハイブリダイゼーション法によって解析した。卵黄蓄積初期の若い卵母細胞が、レチノイン酸分解酵素Cyp26a1、レチノイン酸受容体Rara-βおよびRarγを極めて強く発現し、レチノイン酸合成酵素raldh2も弱く発現することが明らかになった。卵巣におけるレチノイン酸関連遺伝子の発現に関する報告はこれまでになく、今回得られた結果は、ビタミンAが卵発生自体でも重要な役割を果たしており、餌中ビタミンAが卵形成を介して卵質に影響を及ぼす可能性を示唆するものである。本年度はさらにビタミンA等の栄養素が卵発生に及ぼす影響を解析するため、卵母細胞の新しい培養系の開発を試みた。エストロゲンを注射してビテロゲニン合成を促進した水疱眼の水疱からリンパ液を採取し、このリンパ液をゼブラフィッシュ卵巣の維持培地に添加することにより試験管内でビテロジェネシスを再現するというものである。予備実験として、リンパ液中のビテロゲニンをFITCで標識して、ゼブラフィッシュ雌の腹腔に注入し蛍光観察したところ、FITC標識-ビテロゲニンが卵母細胞中に取り込まれることが観察された。水疱眼由来ビテロゲニンを添加した培地で、ゼブラフィッシュ卵巣を培養する実験系を開発できる可能が考えられた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Evaluation of the effects of retinoids and carotenoids on egg quality using a microinjection system2008

    • 著者名/発表者名
      芳賀聡
    • 雑誌名

      Aquaculture 282

      ページ: 111-116

    • 査読あり
  • [雑誌論文] トラフグRALDH2のクローニング-魚類ビタミンAの胚発生での役割解明に向けて-2008

    • 著者名/発表者名
      宇治督
    • 雑誌名

      水産総合研究センター研究報告 24

      ページ: 41-46

  • [学会発表] ゼブラフィッシュにおけるcyplalの正常発現とDCAによる発現誘導の解析2009

    • 著者名/発表者名
      伊藤淑恵
    • 学会等名
      平成21年度日本水産学会春季大会
    • 発表場所
      東京海洋大学
    • 年月日
      2009-03-30
  • [学会発表] 細胞の多分化能をモニターするoct3-EGFPトランスジェニックゼブラフィッシュ系列の開発2009

    • 著者名/発表者名
      三毛門毅
    • 学会等名
      平成21年度日本水産学会春季大会
    • 発表場所
      東京海洋大学
    • 年月日
      2009-03-30
  • [学会発表] ゼブラフィッシュにおけるLIF、LIFRおよび多分化能マーカーの卵巣および胚ステージにおける発現解析2008

    • 著者名/発表者名
      三毛門毅
    • 学会等名
      第31回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2008-12-12
  • [学会発表] GFP-expression vectors inserted with Takifugu Collal, GCH1 and PCNA promoters visualize osteoblats, chromatophore precursors and dividing cells, respectively, in zebrafish2008

    • 著者名/発表者名
      仲野亮
    • 学会等名
      第5回世界水産学
    • 発表場所
      パシフイコ横浜
    • 年月日
      2008-10-23
  • [学会発表] ゼブラフィッシュにおけるAhRおよびCyplaの発現解析2008

    • 著者名/発表者名
      伊藤淑恵
    • 学会等名
      第14回小型魚類研究会
    • 発表場所
      基礎生物学研究所
    • 年月日
      2008-09-20

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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