研究概要 |
浮遊幼生期を経て変態とともに流れ藻につく温帯性のマアジと、浮遊幼生期を経て亜熱帯のサンゴ礁藻場に着底する亜熱帯性のイソフエフキを主対象とした。 隠岐諸島海域で採集した729個体(標準体長18〜56mm)のマアジ稚魚は35〜89日齢の範囲にあった。孵化日組成は、3月8日〜5月3日の範囲で双峰型を示し、3月艀化群と4月艀化群に区分された。二次核の基本構造は既報(Xie and Watanabe 2005)と同様であった。これらの知見を元に、二次核構造の詳細について解析を行っている。 沖縄県石垣島伊土名沿岸で,2007年6月20日〜8月16日に,イソフエフキ稚魚167個体(標準体長19-64mm)を採集した。これらのうち40個体(19-32mm)について耳石を観察したところ、38個体に1〜6個の二次核が確認された。二次核の多くは耳石後方軸から下方軸周辺にかけて形成されていた。 レーザー照射型誘導結合プラズマ質量分析装置(LA-ICPMS)を用いて数種魚類耳石中の微量元素の非破壊測定法を検討した。レーザー径を5〜125μmに調節し、それぞれの径に適した分析条件を10元素について検討した。レーザー径が最大の場合、マアジ耳石ではほぼ全ての元素を検出することができたが、最小の場合はCa、 Sr、 Na、 Kのみ検出できた。検討の結果、耳石微量元素分析には55μmが最適と考えられた。 Xie S, Watanabe Y (2005). Hatch date-dependent differences in early growth and development recorded in the otolith microstructure of Trachurus japonicus (Temminck et Schlegel). J Fish Biol 66,1720-1734.
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