沖縄県石垣島で採集したイソフェフキの仔魚(標準体長16mm)を水温(25、27、29℃)と密度(6個体と10個体)の異なる水槽内で25日間飼育し、各操作区の稚魚の二次核総数を比較した。飼育後、各個体の左側扁平石を観察したところ、耳石後方軸から下方軸周辺にかけて二次核が形成されていた。どの操作区の個体も平均1〜2つの二次核が確認され、また、水温と密度の違いによる二次核の形成数に有意な差は認められなかった。 孵化後5日、10日、15日、20日、25日、30日、35日、40日のハマフエフキ(種苗生産個体)の仔魚がそれぞれ5-10個体得られたので、二次核構造観察に供する。 対馬暖流域の五島灘と若狭湾で採集したマアジ稚魚の耳石構造を比較した結果、五島灘の稚魚は1-3月孵化群で不透明な耳石を持っていた。これ対して、若狭湾の稚魚のうち4-7月孵化群は透明な耳石を、10-1月孵化群は不透明な耳石を持っていた。このような耳石の光透過特性の違いと環境履歴、および二次核構造の対応関係を検討中である。
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