• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

太平洋サケとアユの産卵後斃死をモデル系とした老化のメカニズム探求

研究課題

研究課題/領域番号 19658077
研究機関広島大学

研究代表者

植松 一眞  広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (00116542)

キーワードアユ / 成熟 / 産卵 / 血液 / 顆粒球 / リンパ球 / 栓球 / ヘマトクリット値
研究概要

1) 前年度までに採集した、岩手県越喜来湾の定置網で5月に漁獲した未成熟なサケと、12月に川に溯上した成熟したサケの血液塗抹標本を精査したところ、成熟個体において雌雄ともリンパ球が減少する傾向のあることがうかがえた。好中球と栓球の割合に大きな変化は無かった。
2) 広島県栽培漁業協会で生産した海産交配系の稚アユを、太田川漁業協同組合養殖場で育成した魚を供試魚とした。5月から9月まで毎月雌雄5尾ずつをサンプリングし、測定と採血を行った。血液はヘマトクリット値(Ht値)を求めるとともに、塗抹標本を作製した。
3) 体長と体重の増加は7月以降鈍化した。生殖腺重量は9月に急増したが、肝重量に変化は認められなかった。5月から7月まで45~50%を推移したHt値は成長とともに上昇し、8月からは45%前後の値を維持した。これはHt値は成長ともに増加するというこれまでの知見と一致する。
4) メイグリュンワルドーギムザ染色を施した塗抹標本において赤血球数に対する白血球数を求めたところ、5月と6月に1~2%であった好中球とリンパ球の割合は、7月以降有意に減少し、9月にはリンパ球は約5%に、好中球は約2%になった。栓球は実験期間を通じて10~15%で推移した。これらの値を血球量(Ht値)で補正すると、好中球・リンパ球・栓球の絶対数はいずれも8月までは増加し続けるが、9月には急減することが分かった。自然免疫と獲得免疫の主体である白血球が産卵期に減少することが産卵後斃死に関わることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] サケ・アユの産卵後斃死に関する生理学的研究2009

    • 著者名/発表者名
      植松一眞
    • 学会等名
      第16回魚類生理学研究会
    • 発表場所
      水産大学校
    • 年月日
      2009-12-20

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi