研究概要 |
まず,マダイにおける脂肪酸長鎖化酵素のエロンガーゼと不飽和酵素のデサチュラーゼの遺伝子について検討した。既に知られている魚類のエロンガーゼおよび△5/6様デサチュラーゼの塩基配列を参考にしてマダイ肝臓cDNAライブラリーからそれぞれ885bpおよび950bpのエロンガーゼおよびデサチュラーゼ様遺伝子断片を単離した。また,体組織における発現解析を行い、筋肉においてマダイエロンガーゼ様遺伝子およびデサチュラーゼ様遺伝子が発現することを確認した。 次に,環境水中の塩分と脂肪酸代謝酵素の相互作用を解明する目的で,マダイの必須脂肪酸である高度不飽和脂肪酸含量の異なる飼料を作製し,3段階の塩分の海水でマダイを飼育した。その結果,塩分が低下するに伴い,成長率は低くなったが,飼料に含まれる脂肪酸の影響は明らかではなかった。現在,それぞれの条件で飼育したマダイにおける遺伝子の発現変動を解析しているところである。
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