高度不飽和脂肪酸含量が異なる2種類の飼料を作成し、平均体重約5gのマダイを15、20および33pptの塩分の異なる飼育水中で12週間飼育した。その結果、飼育35日および85日後の成長、日間成長率、飼料効率、魚体の一般組成に差は見られず、全魚体中の脂肪酸組成にも差は見られなかった。しかし、肝臓中の脂肪酸含量については、n-3HUFAを低減し、15pptの塩分中で飼育した魚では、その他の試験区よりもn-3HUFA含量が高かった。また、脂肪酸代謝酵素の発現をRT-PCRで調べると、エロンガーゼの発現に差は見られなかったものの、デサチュラーゼについてはn-3HUFAを低減し、15pptの塩分中で飼育した魚で高い傾向が見られた。ただし、この傾向は必ずしも一定ではなく、n-3HUFAを低減した飼料中にも5%程度のn-3HUFAが含まれたためn-3HUFA低減の影響が弱かった可能性が考えられた。
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