研究課題/領域番号 |
19658083
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研究種目 |
萌芽研究
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
中島 紀一 茨城大学, 農学部, 教授 (50015848)
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研究分担者 |
牧山 正男 茨城大学, 農学部, 講師 (20302333)
安江 健 茨城大学, 農学部, 准教授 (10270852)
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キーワード | 耕作放棄地 / 自然共生 / 耕す市民 / 都市近郊農村 / 谷津田 |
研究概要 |
(1)都市近郊農村地域における耕作放棄地拡大の実態把握: 耕作放棄地が広範に発生する構造把握のために、農林業センサス等を使って地域農業の動向分析を行った。その結果、耕作放棄地広がりの構造的背景として「地域農業の空洞化」を析出できた。また、この課題に関しては、茨城県稲敷郡阿見町において、谷津田の耕作放棄状況について詳細な現地調査と航空写真等の分析を継続実施した。現状の枠組みが事例地域においておおよそ把握できたので、来年度にはより広域での実態調査に進みたい。 耕作放棄地の評価に関しては、そこが地域の自然地として重要な拠点となりつつあることも、希少生物調査等によって明らかに来た。 また、事例地域以外の全国的動向に関しては、岡山県、長野県、北海道について予備的調査を実施した。 (2)耕す市民の活動と地域づくり構想の事例調査: 茨城県稲敷郡阿見町において住民活動ネットワーク組織である「あみ自然再生ネットワーク」参画の5つの活動グループについて詳細な調査を実施した。そこでば、この地域の非農家市民の意識として地域定住意識がたいへん高いこと、「耕す市民」がすでに広範に誕生じてきていることが確認された。また、それらの住民活動グループの構造としては、地産地消型の農業業者を中核として、その周りに比較的古い時期にこの地域に来住してた市民が取り囲み、最近の移住市民がさらにその周りを囲むという構造が作られていることが明らかになった。 また、それらのグループが取り組む耕作放棄地再生事例に関して、技術的側面からの実態分析およびいくつかの実験的試行も実施した。なかでも山羊を導入しての市民主導の再生活動については技術的マニュァルが作成できる見通しを得た。 事例地域以外の全国的動向に関しては、岡山県について予備的調査を実施した。
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