研究課題
産地が明確なタマネギを使用して、測定条件を検討し、実際に数種類の元素の定量を行った。試料は生育場所と品種が異なるタマネギについて北海道産14種類と佐賀産25種を用いて測定した。試料はよく混合した後、凍結乾燥を行い、数100mgほどを高純度ビニル袋に封入し、日本原子力研究開発機構の研究用原子炉JRR3Mにて照射を行なった。本年の目標である、サンプル調製方法の検討、ならびに測定手法がほぼ確立できたところである。短時間照射の中性子放射化分析においては試料は100mgで測定可能なこと、また30秒の照射後、2分間冷却し、2分間測定することが良いことが判った。また長期照射では照射が20分、照射後1週間冷却し、3-4週間の知に30000秒測定する条件が求まった。即発γ線分析においては、測定における数え落としを最小にするため照射試料の量は500mgが最適であること、また、測定時間を50000秒まで検討した結果、2000秒の測定で十分元素の定量が可能であることがわかった。中性子放射化分析により、Na、Mg、Al、Cl、K、Ca、Mnなどの元素を定量することができた。また即発γ線分析により、H、B、C、N、S、Cl、Kなどの元素を定量することができた。放射化分析で得られた元素のみでデータ解析(PCA)を行った結果、佐賀産と北海道産を判別することができた(MTAA-12国際会議にて発表)。また牛肉についても同様な検討を行ない、国産和牛とアメリカ産牛肉の違いを判別できる可能性が示唆された(MTAA-12国際会議にて発表)。
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