研究課題/領域番号 |
19658101
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
橋爪 一善 岩手大学, 農学部, 教授 (10355737)
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研究分担者 |
居在家 義昭 岩手大学, 農学部, 教授 (10414880)
木崎 景一郎 岩手大学, 農学部, 准教授 (40337994)
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キーワード | 遺伝子 / マイクロアレイ / 免疫応答 / 細胞・組織 / 発生・分化 |
研究概要 |
血液細胞に発現する遺伝子群を指標として、ウシの妊娠を早期に判定する手法を開発することを目的とし、本年度は、19年度にマイクロアレイおよび定量的RT-PCRにより発現動態を検証した遺伝子群を用いて、血液細胞中の遺伝子発現を解析した。マイクロアレイにより妊娠前に比較して妊娠15日令で優位に高発現であった遺伝子および先の実験から妊娠2週目には高発現することを確認した遺伝子を中心に定量的RT-PCRにより遺伝子発現量を検証し、マイクロアレイの結果を確認した。それらの中から数種の遺伝子を抽出し、妊娠の進行に伴う遺伝子発現プロファイルを検証した。その多くの遺伝子で、妊娠14日には妊娠前に比較して数倍高値であり、優位に高発現することが判明した。それらの高発現は妊娠21日においても認められたが、その発現量は妊娠14日に比べ低減していた。これら妊娠前に比較して高発現した遺伝子群はいずれも非妊娠ウシの発情周期の同時期の発現量に比べ優位に高発現であった。平行してこれまで妊娠すると上昇が始まることが知られている血中プロジェステロン値を非妊娠発情周期ウシと妊娠ウシで比較したが、妊娠14日および21日での両者の区別は困難であった。これらの結果は、本研究で抽出した数種の遺伝子群の妊娠2週目での末梢血中血液細胞での発現量は、これまでの妊娠指標のステロイドホルモンでの判定に比較してより早期のウシの妊娠診断の指標となることを示唆している。21年度は、確実な妊娠診断法とするための技術開発を主目的とし、特異遺伝子の抽出、遺伝子のクローニング、診断基準の確立、妊娠血液細胞の効率的な収集法などの開発を実施する。
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