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2008 年度 実績報告書

プロテアーゼインヒビターBBI遺伝子によるカドミウム非吸収型作物の創出

研究課題

研究課題/領域番号 19658125
研究機関京都大学

研究代表者

矢崎 一史  京都大学, 生存圏研究所, 教授 (00191099)

キーワード環境 / 植物 / 蛋白質 / カドミウム / 分子育種
研究概要

我が国で大きな問題として取り沙汰さているものにコメのカドミウム汚染がある。申請者は、植物を用いた環境浄化研究において、カドミウムの浄化技術を模索する過程で、プロテアーゼインヒビターの一種Bowman-Birk protease inhibitor (BBI)に、これまで全く知られていなかった高い重金属耐性を付与する能力があることを見いだした。
Coptis japonicaのBBIは重金属以外にも、アルカロイドなど有機系有害物質に対しても耐性を付与する。またこれまでの検討から、BBIタンパク質は分泌されてアポプラストに局在するが、重金属の耐性は輸送機構を中心としていおり、アポプラストにおける金属蓄積機構の解明はほとんど注目されていない。本研究では、BBI遺伝子を「細胞外蛋白質バリア」として用いて、カドミウムの植物内への侵入を防ぐための新しい育種技術の基盤固めを目的とした。
今回、カドミウムのアポプラストにおける蓄積を観察・測定する目的で、放射光施設SPring-8で高輝度蛍光X線分析を用いる手法を検討した。材料としては、野生型タバコを用いた。まずタバコの水耕溶液に塩化カドミウム溶液を添加し、一か月間処理した。茎をクライオミクロトームを用いて50_m厚の凍結切片とし、マイラー膜にはさんでサンプルホルダにセットし、凍結状態を維持しながら測定した。蛍光分析用ビームラインBL37XUにおいて、30keVに単色化したX線をK-Bミラーにより1ミクロンのビームをプローブとして、マイクロX線蛍光分析でイメージングを行った。その結果、茎の中心部でのカドミウム濃度は低く、形成層から表皮にかけてカドミウムが蓄積していることが確認された。さらに皮層でのカドミウム分布を1マイクロメータのステップで測定し解析したところ、アポプラストにおけるカドミウムの蓄積を確認した。この手法により、アポプラストにおける微細な金属分布の分析が可能であることが示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Galactinol synthase gene of Coptis japonica involved in berberine tolerance.2008

    • 著者名/発表者名
      Takanashi, K.
    • 雑誌名

      Biosci., Biotech., Biochem. 72

      ページ: 398-405

    • 査読あり
  • [学会発表] Membrane transport of alkaloids and anticancer drugs in plants : specificity and analogy to mammalian cells2008

    • 著者名/発表者名
      Yazaki, K.
    • 学会等名
      2nd World Conference on Magic Bullets
    • 発表場所
      Nurnberg
    • 年月日
      2008-10-05

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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