研究課題
萌芽研究
一般に、植物の体温は外気温の変化とともに変動するものと考えられているが、驚くべきことに、ある種の植物には、自ら発熱し、その体温を積極的に調節するものが存在する。本研究が対象とするザゼンソウは早春に開花し、肉穂花序の温度を20度内外に維持する能力を有するサトイモ科の発熱植物である。本年度の研究においては、国内の複数のザゼンソウ群生地(岩手県雫石町、岩手県北上市、秋田県大仙市、秋田県横手市、長野県白馬村、および、滋賀県高島市)を訪れ、その発熱状況を調査するとともに、発熱中の肉穂花序からプロトプラストの調製および培養を試みた。プロトプラスト調製の条件は、1%セルラーゼオノズカR10および0.3%マセロザイムR200を含む緩衝液が適切であることが判明した。また、当該プロトプラストから総蛋白質画分を調製し、熱産生因子であるシアン耐性呼吸酵素および脱共役蛋白質の発現を検討したところ、両因子の明確な発現が確認された。さらに、プロトプラストをシアン存在下で培養を続け、シアン耐性呼吸酵素を発現している細胞のみが選抜できるか否かを検討している。さらに、2008年2月に滋賀県今津町で開催された「第1回ザゼンソウシンポジウム」に参加し、ザゼンソウの発熱現象に関する講演を行うと共に、ザゼンンウの茎頂培養に関する具体的な実験手法等について、情報収集を行った。
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http://news7a1.atm.iwate-u.ac.jp/zazensou/main/achievement.html