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2008 年度 実績報告書

光グラフト重合法をもちいる次世代型高分子固定化触媒の簡便創製

研究課題

研究課題/領域番号 19659003
研究機関富山大学

研究代表者

矢倉 隆之  富山大学, 医学薬学研究部(薬学), 准教授 (70220126)

キーワード光グラフト重合 / 高分子固定化触媒 / ポリプロピレン / 酸化反応 / 超原子価ヨウ素 / ニトロキシルラジカル酸化剤
研究概要

光グラフト重合法を用いてシート状のポリプロピレンの表面にアクリル酸を重合させ,カルボキシル基を持つ高分子シートを作成した。高分子シート上のカルボキシル基にニトロキシラジカル酸化剤である4-ヒドロキシTEMPOを縮合させ,高分子固定化触媒を創製した。それを用い塩化メチレン中ヨードベンゼンジアセタート存在下でp-ニトロベンジルアルコールと一晩反応させると,対応するアルデヒドが定量的に得られた。高分子シート固定化触媒をピンセットで取り出し,水およびメタノール,アセトンで表面を洗浄し,減圧乾燥させたところ,その重量にほとんど変化がなかった。このものを再び同じ条件下でp-ニトロベンジルアルコールの酸化に用いた。同じ反応を8回繰り返したが,1回目とほぼ同様の結果が得られた。この間,固定化触媒の重量等の変化は見られなかった。
一方,超原子価ヨウ素化合物のポリプロピレンへの固定化については,基になる触媒反応の効率を向上させる必要があった。そこで,p-アルコキシフェノールのp-キノンへの反応において,溶媒効果を検討したところ,約100倍の反応効率の増大が見られた。すなわち,0.05当量の4-ヨードフェノキシ酢酸を4当量のオキソン存在下,2,2,2-トリフルオロエタノール-水中でp-アルコキシフェノールと反応させると,わずか1時間で対応するp-キノンがほぼ定量的に得られた。また,p-アリールフェノールのp-キノールへの酸化反応やp-ジアルコキシベンゼン類のp-キノン類への酸化反応でも,高い触媒効率を達成することができた。
さらに,光グラフト重合法を用いて創製したポリプロピレン-アクリル酸重合ポリマーシートの表面にp-ヨードベンジルアルコールを縮合させることに成功した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Catalytic hypervalent iodine oxidation using 4-phenoxyacetic acid and Oxone : Oxidation of p-alkoxyphenols to p-benzoquinones.2009

    • 著者名/発表者名
      Takayuki Yakura
    • 雑誌名

      Chem. Pharm. Bull. 57

      ページ: 252-256

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Efficient synthesis of p-quinols using catalytic hypervalent iodine oxidation of 4-arylphenols with 4-iodophenoxyacetic acid and Oxone.2009

    • 著者名/発表者名
      Takayuki Yakura
    • 雑誌名

      Chem. Pharm. Bull. 57 6月号(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Catalytic hypervalent iodine oxidation of p-dialkoxybenzenes to p-quinones using 4-iodophenoxyacetic acid and Oxone.2008

    • 著者名/発表者名
      Takayuki Yakura
    • 雑誌名

      Chem. Pharm. Bull. 56

      ページ: 1632-1634

    • 査読あり
  • [学会発表] 4-ヨードフェノキシ酢酸-オキソン系を用いる触媒的超原子価ヨウ素酸化反応 : p-ジアルコキシベンゼン類からp-キノン類の合成.2009

    • 著者名/発表者名
      矢倉隆之
    • 学会等名
      日本薬学会第129年会
    • 発表場所
      京都国際会館
    • 年月日
      2009-03-26
  • [学会発表] 4-ヨードフェノキシ酢酸-オキソン系を用いるp-置換フェノール類からp-キノール類への触媒的超原子価ヨウ素酸化反応.2008

    • 著者名/発表者名
      矢倉隆之
    • 学会等名
      第11回ヨウ素学会シンポジウム
    • 発表場所
      千葉大学けやき会館
    • 年月日
      2008-11-07
  • [学会発表] 触媒的超原子価ヨウ素酸化反応を用いるp-キノール類の効率的合成.2008

    • 著者名/発表者名
      矢倉隆之
    • 学会等名
      第34回反応と合成の進歩シンポジウム
    • 発表場所
      京都テルサ
    • 年月日
      2008-11-04
  • [学会発表] 4-ヨードフェノキシ酢酸-オキソン系を用いるジメトキシベンゼン類からキノン類への触媒的超原子価ヨウ素酸化反応.2008

    • 著者名/発表者名
      矢倉隆之
    • 学会等名
      日本薬学会北陸支部第118回大会
    • 発表場所
      富山大学薬学部
    • 年月日
      2008-07-05

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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