研究概要 |
麻酔下にC57BL/6マウスおよびDBA/2マウスの左側小脳半球を吸引除去し,2週間以上の回復期間の後に,左眼(同側)を用いた典型的な遅延課題による瞬目反射条件付けを行った。以前の結果の通りC57BL/6マウスにおいては同側小脳破壊群の学習障害は認められなかったが,DBA/2マウスにおいては顕著な同側小脳依存性が認められた。[川原] 瞬目反射条件付けにおける基本的なマウス(C56/BL6)の小脳皮質の役割を調べるために,薬物注入による小脳皮質破壊を行い,その学習獲得に対する影響を検討した。その結果,同側性の小脳皮質の破壊は,条件反射の獲得を著明に抑制した。この結果は,これまでのウサギなどの実験動物と同様に,少なくとも急性には,マウスにおいても小脳皮質が本学習の発現に必須であることを確認するものとなった。他方,小脳深部核の破壊も検討したところ,小脳中位核は,条件反射の発現のみならず,潜在的な獲得にも必要であることが明らかとなった。[岸本他]
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