研究課題
メタボリック症候群は肥満、糖尿病、高脂血症、高血圧症などを同時に併せ持ち、血管内皮の調節能を傷害することで内皮機能の低下を来すと考えられている。これらの疾患の病態形成時には非常に多くの遺伝子産物が複雑の絡み合い相互作用をしていることが知られているが、中でもAktはそのキーとなる分子の一つである。よって本研究は、メタボリック症候群の病態形成とAkt遺伝子の多様な機能に注目し、Aktがどの病態時にどの蛋白質群と相互作用し、経時的にどの様に変化していくのかを明らかにすることである。平成19年度は実験系の確立と基礎データの取得、障害時のメカニズム解明を中心に行った。まずstrepタグ付きAkt遺伝子組み込みベクターを作製した。これをラット血管内皮細胞に発現させ、タグ付きAktに会合する蛋白群をstrep-Tactinにてアフィニティー精製した。精製後にMALDI-TOF型質量分析計を用いてPMF法、シークエンスタグ法を施行し、順次、結合分子を解析同定した。結合分子としてHsp70、Hsp90などのシャペロン分子や、酵素、actinやVimentinといった骨格系タンパクを多く同定した。しかし、シグナル分子の同定が少なかったことからさらに、精製条件を検討したが現段階では有効な解決法は得られていない。また、血管内皮傷害モデルの作成として伸展負荷培養を行った。その結果、経時的なAktのリン酸化、細胞の形態変化を認めた。Aktは物理的刺激、pH環境、グルコース負荷等、様々な刺激下で活性化され、内皮機能の根幹に関わる分子であることが示唆された。
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