研究課題/領域番号 |
19659086
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
北澤 荘平 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (90186239)
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研究分担者 |
北澤 理子 神戸大学, 医学研究科, 講師 (00273780)
森 清 神戸大学, 医学研究科, 助教 (70432573)
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キーワード | 組織標本 / メチル化シトシン / 遺伝子プロモータ / in situ hybridization |
研究概要 |
種々の遺伝子の転写調節領域に存在するCpG-islandのメチル化は、遺伝子発現を抑制することが知られているが、私どもは、非CpG-islandのシトシンメチル化も転写制御に重要な役割をはたすことを報告してきた。神経成長因子(NGF)の高親和性受容体TrkA遺伝子においては、非CpG-islandに位置するAP-1類似配列(TGAGCGA)はC.Jun蛋白との結合により転写を抑制する。膵癌・大腸癌病理組織の検討により、メチル化によりTrkA遺伝子転写が促進される機構を解析した。組織標本を用いたhypermethylationの検出にとどまらず、遺伝子の特定部位のメチル化を病変部位や細胞集団に限局して解析するには、標本上で特殊なプローブを用いてin situで検出する方法が必要となる。 前年度より継続して、膀胱癌、前立腺癌の病理組織標本を用いたBAMBI遺伝子のCpGメチル化の解析や、長期透析の副甲状腺過形成におけるP16発現・メチル化について、小領域を切り出した微小検体をビーズに包埋してSodium Bisulfite処理を付加する方法で解析を行った。本年度は、メチル化オリゴヌクレオチドに対するモノクローナル抗体作成の予検討を行った。マウスの脾臓とミエローマ細胞との融合、HAT培地によるハイブリドーマ選択培養、数1000クローンからの分離行程を確認し、抗原を固相化したELISAプレートを用いた抗体の検定方法を実施して、必要機材や実験系を整備した。さらに、ハイブリダイゼーション後の検出方法について文献的に情報収集を行い、抗体作成の際に抗原とする候補分子の修飾塩基について検討を行った。 以上の研究成果の一部は、日本病理学会総会、日本癌学会総会にて発表する予定である。
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