研究課題
本研究は細胞側因子と相互作用し、細胞内の物質輸送に影響を与えるJCウイルス(JCV)のagnoproteinがオリゴデンドロサイトの機能障害を惹起させる。」という作業仮説を立て、agnoproteinを中枢神経に発現させるトランスジェニックマウスを作製し、JCV感染によって生じる、多発性硬化症とは異なった機序で発症する非炎症性の脱髄のモデルを確立し、ウイルス感染後の脱髄病変の形成過程の機序を詳細に検討することを目的として以下の実験を行った。平成20年度はマウスのスクリーニングを行うにあたり、従来行われていたSouthern blottingによる解析ではなく、mouseの血液から直接、導入遺伝子を検出するFTA paperを用いたPCRの系を使ってsample採取当日に結果を得ることの出来る系を構築した。作製したスクリーニングの系を用いて、agnoproteinおよびlate proteinのトランスジェニックマウスの子孫およびタモキシフェン反応性のCreリコンビナーゼを発現しているトランスジェニックマウスを交配させ、タモキシフェン投与によりJCウイルスのagnoproteinもしくはlate proteinをオリゴデンドロサイトに発現させるダブルトランスジェニックマウスを作製した。今後はタモキシフェン投与法の条件を決定し、タモキシフェン投与により脳のオリゴデンドロサイトにagnoproteinを発現するマウスの臨床症状を観察し、最終的に病理学的解析、生化学的解析を行い、オリゴデンドロサイトの機能障害による脱髄がJCウイルスのagnoproteinもしくはlate proteinにより生じるかどうかを検証する予定である。
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