研究課題
我々は、MRL/lprとC3H/lprのF1以降の各世代、関節腫脹を重篤に発症する雄マウスを選抜し、次世代交配に用いて、強直症がF1よりも重篤かつ若年性に自然発生するマウスを作製してきた(F13世代)。さらに、強直症自然発症マウスの遺伝的背景にMRL系統由来のY染色体を導入してきた。平成20年度はF13世代までの各世代のデータを比較すること、Y染色体コンソミック系統の病変定量を行った。その結果を以下にまとめる。1. 強直症発症に対するY染色体の影響 : 強直症自然発症の遺伝的背景でY染色体を入れ替えても、強直症に対して量的にも質的にも影響は見られなかった。この結果から、Y染色体は強直症の病変形成に関係していないと結論づけられた。2. 強直症自然発症モデルのまとめ : F3世代で発症頻度、重症度は安定化した(以下の世代で大きな変化は見られなかった)。この結果から、F1に対する病変増強は数少ない感受性遺伝子の作用によるものと考えられた。また、この疾患モデルの強直症に対して、一匹飼いと精巣摘除による効果を調べた。一匹飼いと精巣摘除により病変は全く発症しなくなることが分かり、集団行動と男性ホルモンが強直症発症に強く影響していると結論づけられた。3. 強直症発症に関する新たな仮説 : 慢性皮膚病変と強直症発症に因果関係が推定される(皮膚・関節病態連繋)。そこには、皮膚病変からのKGFと関節局所のFGFR2が関係していることが示唆された。(614字)
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