研究概要 |
タンパク質分解経路にはユビキチン・プロテアソーム系とオートファジー・リソソーム系があるが、その定量的なバランスに関しては明確なデータが無い。我々は、蛋白質の安定性が変化し発現レベルが変わるSNP(Q141K, F208S, S441N)に注目し、これらの変異体についてユビキチン・プロテアソーム系とオートファジー・リソソーム系の経路を解析した。SNP(Q141K, F208S, S441N)をそれぞれもつABCG2を作成し、Flp-In-293細胞に発現させた。ABCG2の蛋白質レベルをimmunoblotting法で定量解析した。さらに細胞内分布を新規開発した蛍光顕微鏡システムを用いて定量的に解析した。一方、ユビキチン・プロテアソーム系とオートファジー・リソソーム系の経路を解析するために、Flp-In-293細胞をMG132およびBafilomycin A1とともに培養して、それぞれの経路による蛋白質分解を阻害し、ABCG2蛋白質レベルを測定した。その結果、ABCG2の野生型とSNPバリアント(Q141K, F208S, S441N)における蛋白質分解経路を定量的に解明した。 Nakagawa, H., et al. Ubiquitin-mediated proteasomal degradation of non-synonymous SNP variants of human ABC transporter ABCG2. Biochemical J., 411, 623-631, 2008. Furukawa, T. et al. Major SNP (Q141K) variant of human ABC transporter ABCG2 undergoes lysosomal and proteosomal degradations. Pharm Res. 26(2), 469-479, 2009
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