研究課題/領域番号 |
19659147
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤田 博美 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60142931)
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研究分担者 |
小田 淳 北海道大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (50255436)
若尾 宏 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (10280950)
漆原 範子 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 博士研究員 (80396308)
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キーワード | 環境応答 / ストレス / シグナル伝達 / 環境因子 / 培養細胞 |
研究概要 |
これまでにマウス胚性幹細胞(ES細胞)を使用して個体の免疫恒常性維持に重要な役割を果している免疫制御性細胞の選択的分化誘導に成功している。当該細胞は様々な外来刺激に応じてサイトカインなどの生体情報伝達物質を産生することが知られている。本研究においてはサルを含む霊長類ES細胞から免疫制御性細胞を選択的に分化誘導し、これを各種外来ストレスの応答細胞として利用し、新たな外部環境影響評価系を構築することを目指している。今年度はサルES細胞から免疫制御性細胞を誘導するため、レトロウイルスを用いてサルES細胞に遺伝子導入を行い、免疫制御性細胞特異的なT細胞抗原受容体を恒常的に発現する遺伝子改変ES細胞を取得した。具体的にはサルES細胞にウイルスベクターを用いて遺伝子導入するため、フィーダー細胞を使用しないサルES細胞培養法の確立と安定的に目的遺伝子を発現する細胞を取得する方法を探った。その結果、エクストラセルフトリック蛋白質でコートされた培養系を用いることによりフィーダー細胞非存在下でサルES細胞培養が可能となった。また目的遺伝子の下流に内部リボソーム導入部位で接続された薬剤耐性遺伝子を用いることで、培養時の薬剤耐性により導入遺伝子安定発現細胞を取得した。次にサルES細胞を免疫制御性細胞に分化誘導させるための基礎技術としてサルES細胞からのT細胞分化誘導を試みた。サルES細胞を骨髄由来のフィーダー細胞と共培養することによってT細胞の表面マーカーであるCD3やCD8の発現が確認され、サルES細胞からT細胞への分化誘導法を確立しか。
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