研究課題
研究参加施設の協力により、患者対照集団5,500例(メタボリック症候群2,500例、対照3,000例)のDNAサンプルおよび臨床データを収集した。202遺伝子多型について、メタボリック症候群1,017例、対照771例の関連解析を行い、メタボリック症候群の発症と関連する(P<0.05)遺伝子多型を14個検出した。これらの多型の中で、apolipoprotein A-V遺伝子のプロモーター領域に位置する-1131T→C多型がメタボリック症候群の発症に強く関連する(P=0.000002)ことを明らかにした。さらに、98遺伝子多型についてメタボリック症候群1,522例、対照895例の関連解析を行い、メタボリック症候群の発症と有意に(FDR<0.05)関連する遺伝子多型を6個検出した。これらの多型の中で、apolipoprotein A-V遺伝子の-3A→C多型(P=0.00000001)と553G→T(Gly185Cys)多型(P=0.0007)がメタボリック症候群の発症に強く関連することを明らかにした。今後は、SNPチップを用いたゲノム全領域関連解析によりメタボリック症候群の発症に関連する遺伝子およびその多型を同定する予定である。メタボリック症候群のモデル動物であるSHR/NDmcr-cpについてcDNAマイクロアレイによる解析を行った結果、6週齢のSHR/NDmcr-cpでは対照ラットに比較し、肝臓ならびに脂肪組織でそれぞれ253個と535個の遺伝子の発現が亢進し、244個と508個の遺伝子の発現が抑制されていた。また、25週齢のSHR/NDmcr-cpでは対照ラットに比較し、肝臓ならびに脂肪組織でそれぞれ163個と277個の遺伝子の発現が亢進し、184個と224個の遺伝子の発現が抑制された。現在それらの遺伝子発現の変化について再現性を確認すると共に、階層的クラスター解析を行っている。
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