本研究の目的は、緑茶に含まれるカテキン摂取が血中アディポネクチン値に与える影響をランダム化比較試験により検討することである。 試験参加者は20〜79歳の男女、既往歴にがん、心筋梗塞、脳血管疾患、腎疾患のない者とし、平成19年6月・12月の仙台市健康増進センター減量チャレンジ講座に合わせ、講座参加者及び職員から募集を行い、51名(講座参加者31名、非参加者20名)を特定した。無作為割付の結果、参加者は介入群25名(男性9名、女性16名)、対照群26名(男性9名、女性17名)であった。介入は介入前1週間の緑茶摂取中止を求め、その後、介入群は緑茶カテキン400mg含有飲料500mlを9週間飲用、対照群は緑茶カテキン100mg含有飲料500mlを9週間飲用した。 介入前の各指標は、主要効果指標(血中アディポネクチン:介入群8.23μg/ml、対照群8.79μg/ml)、副次的指標(高感度CRP:介入群511.5ng/ml、対照群520.8ng/ml、中性脂肪;介入群106.5mg/dl、対照群115.6mg/dl、HDLコレステロール:介入群52.7mg/dl、対照群56.5mg/dl、血糖:介入群95.5mg/dl、対照群98.8mg/dl)であった。 介入後の各指標は、主要効果指標(血中アディポネクチン:介入群9.52μg/ml、対照群9.79μg/ml)、副次的指標(高感度CRP:介入群512.7ng/ml、対照群627.2ng/ml、中性脂肪:介入群100.9mg/dl、対照群82.2mg/dl、HDLコレステロール:介入群54.8mg/dl、対照群56.8mg/dl、血糖:介入群96.2mg/dl、対照群96.4mg/dl)であった。
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