研究課題
昨年度までに取得した健常な日本人成人ボランティアのコホートデータを対象に、ベースライン調査時に取得したデータ項目のうち、主に、eNOS遺伝子、血圧値、Food frequency questionnaire (FFQ)によるナトリウム摂取量を利用した。eNOSをTT群とTC+CC群の2群に分け、ナトリウム摂取量を連続量として扱った際の高血圧(収縮期血圧≧140mmHg or拡張期血圧≧90mmHg)のオッズ比(OR)を検討した。まず広く行われているロジスティック回帰分析を行い、次にOrangeのNaive Bayes機能を用いてORの算出、Odds ratio curve (OR curve)の描画を行った。ロジスティック回帰分析ではオッズが単調に増加することが確認された。Naive Bayseを用いた分析では、両群(TT群、TC+CC群)ともナトリウム摂取量の増加とともに、オッズ比が上昇した。ナトリウム4000mg以下では、両群に大きな差異が見られなかったが、4000mg以上では、TT群に比べ、TC+CC群のオッズ比は急峻に上昇した。Naive Bayseを用いた分析でも、既存研究と同様にTC+CC群の、ナトリウム高摂取群におおいて高血圧のリスクが高いことが示唆された。TT群は塩分感受性が低く、高血圧に対して保護的に働いているのに対し、TC+CC群は感受性が高く、ナトリウム摂取量の増加が高血圧のリスクを線形な傾き以上に急峻に上昇させている可能性が考えられる。従来の候補遺伝子アプローチによる解析から得られた知見と、新たなデータマイニング手法により得られた知見、両者の比較を通じ、新たなデータマイニング手法の有用性や妥当性を検討することができた。
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