研究概要 |
1.マルチチャネル型ラマン分光装置の立ち上げ ダイオードアレー検出器を用いたマルチチャネル型装置を組み立てた。装置は全て浜松ホトニクス中央研究所で行い,研究協力者である平松光夫博士の協力の下,本研究に最も適した条件を設定した。 2.標準化合物のラマンスペクトル測定実験 励起波長785nmのレーザービームを用いた結果,水ならびにガラスによる振動ピークは,それぞれ,1600cm^<-1>付近,ならびに1383cm^<-1>付近に弱いブロードバンドとして出現した。三酸化ニヒ素(亜ヒ酸)結晶は182,267,368,479,560,780cm^<-1>の波長に著明なピーク群が出現し,同定のためのスペクトルとして利用可能なことが分かった。シアン化カリウム(KCN)結晶では,2080cm^<-1>付近に極めて強い単一ピークが出現した。しかも,KCN水溶液でも,2082cm^<-1>付近に同様な強いピークが出現したため,同定利用には限界があるものの,半定量に有用である可能性がでてきた。その他,硫酸タリウム,水酸化タリウム,三酸化タリウムなどの結晶に関しても,測定を行ったが,残念ながら,特徴的振動ピークが見られずタリウム化合物測定を断念することとした。 3.他のヒ素化合物ならびに水銀化合物結晶の測定 現在,なるべく多種類の重金属化合物について,測定を行っている。
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