研究課題/領域番号 |
19659170
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 修 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70093044)
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研究分担者 |
権守 邦夫 浜松医科大学, 医学部, 助教 (10006744)
菅野 さな枝 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (50391090)
渡部 加奈子 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (70288546)
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キーワード | ラマン分光法 / 薬毒物分析 / レーザービーム / メラミン / シアン化カリウム / ヒ素化合物 / 安全 / 安心 |
研究概要 |
1.粉ミルク中ならびに他試料中のラマン分光法によるメラミンの分析に関する研究 メラミンはC3H6N6という元素組成を持つ有機化合物で、プラスチックの原材料として広く使われている。一般にヒトや動物用食品中のタンパク量は窒素含有量として表示される。従って、食品中にタンパク質が高濃度に含まれる様見せかけるため、価格が安く、しかも窒素を多く含み、無色無臭の物質としてメラミンがペットフードや粉ミルクに多量に混入されるケースが中国で多発した。それによって中国国内のみならず輸出先である米国で、人畜に多大な被害が出た。そのため従来のラマン分光法でスペクトルを測定すると遊離のメラミンは676cm-1、硫酸メラミンは689cm-1に大きなピークが出現した。各種の粉ミルクを検討した結果676~689cm-1辺りには妨害ピークを出現しなかった。従って、この辺りの波長のピークを指標として粉ミルク中メラミンの混入をごく簡単に検証する方法を確立した。その結果を既に学術専門誌Forensic Toxicology 27巻94~97ページ(2009年)に掲載した。 2.さらに高感度な表面増強ラマン分光法の立ち上げ実験 本来の研究テーマの対象は重金属毒物分析であった。各種ヒ素化合物、タリウム化合物、水銀化合物を試したが、純品の標品ではラマンスペクトル測定可能なものが多かったが、ヒト試料に中毒レベル添加しても、感度が十分でないことが判明した。そのため従来の方法より100~1000倍高感度を有する表面増強ラマン分光法を立ち上げている。研究期限が到来してしまったが、現在でも実験を継続している。
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